みんな元気か?明日はみんなオフだろ。
明日朝8時、俺のマンション前に集合だ。
予定がある奴はキャンセルしろ。
服装は歩きやすい格好で。
じゃあ、また明日! ジェジュン。
「これでよしっ。」
俺はメンバーのグループLINEにメールを送ると、みんなの反応をわくわくしながら待つ。
ピロン♪
1番先に返事がきたのは、ユノ。
了解!どこ行くんだ?車だそうか?
「ユノや…お前は今一緒にいるんだから、メールしなくていいだろ?」
「そんな冷たいこと言うなよ~。なっ?」
「ふふっ。ま、いいけど。きゃっユノ、どこ触ってるんだよぉ!やめろっ!」
ソファのアームにもたれ足を投げ出しているユノの股の間に入り、ユノに寄りかかり寛ぎながらメールの返信を待つ俺。
ユノはそんな俺の肩に頭を乗せテレビを見ながら、手はもぞもぞと俺の体をいじくっていた。
口では止めてよなんて言いながらも、ユノとのこんな時間がたまらなく幸せだ。
一時は様々な壁が立ちはだかり、連絡すら取れなくなった俺達。あの頃は自分が何故生きているのか、なんのために生きているのかさえ分からなくなっていた。以前はあんなに作っていた料理も全くする気が起きず、酒を浴びるように飲んでいた、あの頃。
今でもたまにその頃の夢を見る。
気づくといつも1人俺は暗闇の中をさ迷っている。歩いても歩いても先は見えない。名前を叫んでも、声がこだまするだけ…。闇の中に引きずりこまれそうになりながら、ずっとずっとあてもなく歩き続けている、そんな夢…。
ぱっと目が覚めた俺は、慌てて隣を見る。
ユノのあどけない寝顔がそこにあることに安堵し、またユノの腕に潜り込むんだ。
次にメールを返してくれたのはチャンミンだ。
お疲れ様です。
また、突然な呼び出しですね…。慣れてますけど。
ジムに行って汗流そうと思ってたんですが…まあいいです。
「あっ、チャンミンOKだって。」
「よかったな。」
次々に返信がくる。
おつかれー。明日ジュンスん家でゲームする予定だったから、俺達はOK。
ってことは、みんなOKなんだな。
おつかれ山~!
どこに行くの?
ん?狩り。
えっ?!狩り?!
僕は何持っていけばいいの?!危なくないの?!
「あっはっはっ!ジュンス、本当の狩りだと思ってるよ~、ユノ~。」
「意地悪しないで教えてやれよ~。あいつなら、狩猟ファッションで来かねないぞ?」
「まさか!ユチョンに聞くでしょ。明日楽しみだなぁ。ねぇ、ユノお弁当何入れようか?」
「キンパ、唐揚げ、タコさんウインナー、甘い卵焼きはマストだな。」
「OK。じゃあ、今日はもう寝ようか。明日は俺、朝早いから。」
「え~?このままもう寝るのぅ・・?」
ユノが拗ねた顔をしている。この顔に騙されてはいけない。
「今日はたくさんキスしてハグして寝よう。ね?じゃないと明日のお弁当は…おにぎりだけになるよ?」
「…わかったよぅ。」
ユノは愛情たっぷりな濃厚なキスをくれた(ややしつこかったけど!)。
「おやすみ。」
「おやすみ。いい夢、見ろよ。」
「ん…。」
その夜俺は、山の頂上で笑いながらみんなで弁当を頬張る夢を見た。
よく朝、ユノを起こさないようにそっと布団を抜け出ると、お弁当の支度にとりかかった。
ご飯はもう炊けていた。こんなに沢山の米を炊いたのは久しぶりだ。
キンパを慣れた手つきで巻いていく。肉だけでなく、野菜嫌いな弟達の栄養も考えて、人参やほうれん草もたくさんいれて巻いた。
出来上がった弁当のものすごいボリュームに、思わず笑ってしまった。
弁当の写真を撮っていると、珍しくユノが1人で起きてきた。
「おはよ。お!もう出来たの?」
「うん。キンパのはじっこ味見してみて?はい、あ~ん。」
ユノの大きな口に、キンパを1つ放り込んだ。
「ん~美味い!最高!これ、山で食べたらもっと美味いな!」
「よかった♡さ、支度して、下行こう。ユノの着替えは揃えて出してあるから、それ着てね。」
「おう、いつもサンキューな。着替えてくる。」
俺達はペアルックに着替えると、下へ降りていった。
そこには既にユチョン達の姿があった。
ただ1人おかしな格好をしていた。
ジュンスだ。
「おはよ♡ねぇジュンス…俺らどこに行くと思った?」
「えー?!だって狩りって言ったじゃん!狩りといえばこの格好だよー!なんでみんな登山の格好?!」
「この時期の狩りって言えば、普通紅葉狩りでしょう。なんで狩猟なんです?銃の免許持ってるんですか?お?ま、ジュンスらしくていいですけど。」
「あ~ん、チャンミンがいじめるぅ!!ユチョーン!昨日なんで昨日教えてくれなかったんだよぅ!!」
「あははっ。ごめんごめん。」
「みんな揃ったことだし、行こう!!」
僕達はソウルから近いチョンゲサンへ向かった。
みんなでそろっての登山は初めてだ。
道行く人に挨拶を交わしながら、登っていく。
最初は軽かった足取りも次第に重たくなっていく。
5人の体力の差は歴然だった。
ユノとチャンミンは、今でも3時間歌って踊れるほどの体力を維持している。
ジュンスも衰えてはいなかった。
俺とユチョンだけが、山の中腹位からかなり3人から遅れをとるようになっていた。
「ユチョン…ハァハァ…なかなか辛いな…。綺麗だけどさ…。」
「ジェジュン…言い出しっぺなのに…ハァハァ。もうここでいいんじゃない、俺達…。」
「だめだー!あと少しだ!頑張れ二人とも!!」
先には登って行ったはずの3
がいつのまにか降りてきていて、俺たちを励ました。
結局俺はユノの手を、ユチョンはチャンミンの手を借りて、なんとか山頂を目指す。
それでも、赤や黄色に染まった山をみんなでこうして登るのは楽しかった。
一時間半ほど歩き、やっと頂上に出た。
「やったーー!!山頂!!!」
「うわ!綺麗だな!」
「ハァハァ…つ、疲れた…」
「紅葉狩りって最高!!うきゃんうきゃん!!」
みんなで見下ろす先には小さなソウルタワー。
普段は見上げる事の多いソウルタワーが、こんなにも小さく見えるほどに俺達は歩いてきたんだ。
そう思うと感無量だった。
「あのー、俺お腹すきました…。もう弁当食べませんか?」
「いいね!」
末っ子の一言で、俺達はピクニックシートを引き、5人で座った。
「わぁ!!ジェジュンの弁当ひさしぶり!!」
弁当箱を開けた時の4人の嬉しそうな顔が、俺には嬉しかった。
「俺、唐揚げいただき~!」
「僕は卵焼き~!!」
「俺はタコさんウインナー♡」
「キンパ美味いです。」
俺は4人がムシャムシャと美味しそうに食べるのをぼーっと眺めた。
それだけで腹がいっぱいだった。
「ヒョン、口開けて?」
気づけばチャンミンが一口大に切った卵焼きを目の前に差し出してくれていた。
それを一口食べた。
口の中に程よい甘さが広がって、我ながら上出来だと思った。
「ジェジュンこれも。」
「これも~!!」
俺はみんなが差し出してくれたおかずをもらって食べた。
俺が食べると、みんな嬉しそうな顔をする。
「…ヒョンがちゃんと食べているところをみると、安心します。」
「えっ?俺いつも食べてるじゃん?」
「いいえ。あなたはいつも、俺達にばかり食べさせて、自分はほとんど箸付けてないこと、俺達は知ってましたよ。だから、今日くらいは一緒に食べましょう。次は何がいいですか?」
「…ん、じゃあタコさんウインナー。」
俺がみんなが食べているところをみると安心するように、みんなもそう思っていたんだ…。
みんなが食べさせてくれたお弁当が美味しくて、みんなでこうしている時間が過ぎて欲しくなくてで…喉の奥がキュッと締め付けられた。
「また狩りしようね。」
「今度は食べられる狩りにしよう!」
「じゃあ、ミカンだな!!」
「ユノが食べたいだけでしょ。」
「へへっ、バレたか。」
「じゃあ肉で。」
「それはもう狩りじゃないじゃん。」
5人が集まれば、いつだってあの時の俺達に戻るんだ。
俺達は何も変わってはいない。
これからもずっと…。
-・・*’“*:.。. .。.:*・゜゚・*☆_ -・・*’“*:.。. .。.:*・゜゚・*☆
こんにちは!
秋ですね!紅葉狩り行きたいです!!
お弁当持って、5人のように♡♡
フォトピ2で、クルーが旅館のご馳走をおいしそうにほおばるところを優しい顔でみているジェジュンが、印象的で…。きっと5人の時もこんなだったのかなと思ってかきました。