報道されない「ジョイ ポイント」の悲鳴 現地直撃リポート

詳細について、ネット等でいろいろ調査したが、納得できる情報が乏しいのも現状。そこで、私がわかる範囲でジャストラインの２０１８年新車動向を独自分析するとともに、私の意見や予想も書く。
誤りを含む可能性があるため、誤りに対するご指摘、その他ジャストラインの現状について詳しい人がいたら、ぜひコメントされたい。

★三菱・エアロエースを高速道路を通る路線に投入！

ジャストラインの高速道路を通る路線、いわゆる高速バスで使用する車両は今まで、日野・セレガ、いすゞ・ガーラ、日産ディーゼル・スペースアローしかなかった。
「エアロエースがジャストラインに入る事はないんだなぁ」と私は思っていたが、２０１６年に情勢が大きく変化。

↑２０１６年にエアロエースも投入開始。その第一弾が「渋谷ライナー」（相良渋谷線・相良営業所・藤枝駅～渋谷）で、８６７（写真）・８６８（静岡２００か８６７と同８６８の事。ジャストラインでは社内番号がないため、車両の区別はナンバープレートで行う）の２台が営業に就いた。

↑バスの内部はご覧の通り。JRバス関東やJR東海バスでも導入されている「ワイドシート」がジャストラインでも標準装備。ジャストラインの高速バスなのに、ワイドシートのためJRバスに乗っているのと全く同じ気分になった。ジャストラインの高速バスである事自体が不思議に感じた。８６７のワイドシートについては、JRバスよりも座席が多少柔らかく感じた。

エアロエースの投入は渋谷ライナーに留まらず、「静岡新宿線（旧駿府ライナー）」（静岡駅～バスタ新宿）、「横浜ライナー」（静岡駅～横浜中華街）、「清水ライナー」（三保の折戸車庫・清水駅～東京駅）の路線でもエアロエースを投入。こちらは鳥坂営業所に配置の上で、８８６・８８７が営業に就いている。後術するが、２台とも現在はサッカーJリーグの清水エスパルスを応援する車両になっている。

↑エアロエースの投入は、静岡県外行きの路線だけではない。新静岡・静岡駅～相良営業所・静岡空港への静岡県内路線でも例外ではない。相良営業所行きは「特急静岡相良線」、静岡空港行きは「富士山静岡空港静岡線」と称するが、乗車する際に事前に予約する必要はなく、全席自由席。運賃は下車時に支払う一般的な路線バスで、Suica、Kitaca等の交通系ICカードにも対応。

これら両線は三菱エアロバスを除けば、長らく三菱製の車両は新規投入されていなかった。２００５年頃まで相良営業所行き（当時は「特急静岡御前崎線」と称していた）は静鉄グループの観光バスからの”お下がり”を路線転用しており、純粋な新車投入はほとんどなかった。
ところが、２００２年に静岡鉄道のバス部門が分社化されてジャストラインが発足すると、「路線はジャストライン」、「観光（貸切）はジョイステップ」とバスの営業形態そのものが変化した理由が大きい。今やジャストラインが貸切バスを運行しているのは、いわゆる契約輸送（学校向けのスクールバスの受託）のみで、静鉄グループで貸切バスを依頼する場合、依頼先はジャストラインではなく、静鉄ジョイステップバスを紹介される。
そのため、特急静岡相良線向けの車両を老朽置き換えする際に、貸切を種車にする事が出来なくなったため、新車購入に切り替えた。
基本的には、日野・セレガ主体で、一部いすゞ・ガーラが少しある程度。

↑相良営業所に２０１８年３月に特急静岡相良線用に投入されたエアロエースは静岡２００か９３４の１台のみ。
エアロエースの最近の大きな変化としては、AMTと称するオートマチックトランスミッションを基本に疑似的にマニュアルトランスミッション操作も出来るようになった事。それでも運転者側としてはオートマ車を運転しているのと全く同じであるため、走行速度等に応じたギア操作は不要にしているし、後退時はオートマ車特有のクリープ現象を活用し動かす事が出来るのも特徴だ。

三菱ふそうのホームページにあるエアロエースのカタログを見ていると、一言でエアロエースと言ってもいろんな種類がある。
具体的な型式は不明。わかる人がいたら、型式を教えてほしい。

新型エアロエースは車両構造を見直したため、最大で１２列座席を配置し、補助座席も含めれば最大で６２人のお客を乗せる事が可能。
９３４について写真を参考に座席列数を数えると１２あった。
９３４にはトイレが設置されていない。その必要もないだろう。静岡～相良の間は６０分程度しかかからない。
お客も多い路線であるため、乗車定員を重視するため座席数を増やした事は当然と言える。

乗車定員重視のバスの場合、車両グレードを低くしている事も珍しくない。これについては私の予想になるが、「中くらい」だと思う。（カタログを参考にした）
入口にある「FUSO AERO」と言うシルバーのエンブレムはグレードに関係なく、標準搭載。
サボ（行先表示機）は２０１８年製から高速路線はメーカー・車種関係なくフルカラー式になった。
しかし、今の所使用されているのは標準的な白だけで、カラフルな色になっていない。
また、乗降用のドアはスイングドアになっている事も特徴。特急静岡相良線のセレガ・ガーラは折り戸式ドアが基本で、一般に前者は高いグレードに搭載されるが、後者は低いグレードに搭載される。
これもカタログを見ていると、そもそもエアロエースには折り戸式ドアが存在しないようだ。

車内に入ると、新宿行きの高速バスに負けぬほどの充実な装備。
今やスマホやタブレット端末等で車中楽しむ人も少なくないが、それで欠かせないのが「電池残量」である。一概には言えないが移動中の車中で３時間程度ずっと使用したままだと、残量が５０～７０％程度下がる事がある。充電しながらの使用は電池の寿命を縮めるため良くないのであるが、それでも充電出来る装置は必要。
ジャストラインの高速バスでは、USBコネクターを挿入する方式のため、JRバスや新幹線で多�
�コンセントを用いたやり方になっていない事が特徴。
最大運行時間は６０分程度と短いが、特急静岡相良線の車両でも標準搭載されており、古い車両に対してはわざわざ改造するほどだ。
通信容量を気にする人も多いかと思うが、ジャストラインの高速バスにはフリーWi-Fiも搭載。利用料金は無料。接続時間制限もない。接続方法等については座席備え付けのパンフレットに説明があるので、これに従って操作するだけである。
２０１８年製の車両から、「全座席３点式シートベルト」になっている事も特徴。今までは腰の付近にシートベルトを装着するだけであったが、２０１８年製の車両からは、腰に加えて肩にも”たすき掛け”するような形で装着する事になる。安全性は高くなったが、煩わしさは増える。

↑特急静岡相良線では９３４以外にも、もう１台エアロエースを投入。こちらは「浜松２００か１０７５」と言うナンバーになっている。浜岡営業所（御前崎市）所属の車両で、特急静岡御前崎線時代は、静岡～浜岡を結ぶ路線を主に担当していたが、相良（牧之原市）までに短縮されてからも、引き続き静岡～相良で運行を継続。
今は静岡～相良、相良～御前崎・浜岡で系統分離された格好で、相良への送り込みは後者路線での間合い運用となっている。

・・・私としては、９３４や１０７５に乗車してみたいのが本音であるが、車両運用は不明のため、なかなか乗車出来ないのが現状だ。
「この便ならば、９３４や１０７５で運行する！」と言う事をご存じの人がいたら、是非コメントで教えてほしい。

★静岡新宿線等（昼行路線）の静岡県外向け路線にもエアロエースを投入！京都大阪ライナー（夜行路線）でも３列座席用のエアロエースが登場！

↑こちらのホームページによると、３月１６日に高速バス用車両の展示会を開催したと言う。ここには、静岡県外向けの２０１８年製の新車情報がいろいろ書いてあるので、下記はこれを参考に書く。

エアロエースの９３５（４列座席車、主に静岡新宿線で使用、所属営業所は不明）はお客３６人乗りになった。本来この手の車両は３８～４０人乗りが一般的であるが、客数を減らしているポイントはトイレにある。
高速バスのトイレは本当に狭い。ドアを開けてトイレに入って１歩も歩かないうちに便器。トイレが「ない」よりはマシだが、トイレしにくいのも事実。トイレは構造的に半室でそもそも面積を広く取っていない。
そこで、車両後部全体を全てトイレスペースにした。これによりトイレのスペースが拡大し、豪華な洗面台まで付ける事が出来た。単に用を足すだけでなくて、到着前の身支度にも活用できる。
この手の大型トイレは、京王バスグループ等で見られる。

車内充電装備、Wi-Fi、３点式シートベルト、ワイドシート車である事は前述の通り。運行上のシステムとして、衝突被害軽減ブレーキ、車両安定警報システム、車線逸脱警報装置、ドライブレコーダー、運転士の眠気を察知する機械等は標準装備。
９３５は新静岡７：３０発の新宿行きと折り返しの新宿１６：２５発の静岡行きで運用するとの事。

エアロエースの９３６（３列座席車、静岡大阪線（京都大阪ライナー）、夜行路線専用、西久保営業所の配属と思われる）も投入。今の所、運行ダイヤに変更はないが、現状は３台の車両で運行しており、台数が少ないため２号車以上の増発がなかなかできない状況だ。
今回は運行台数に余裕を持たさせるために増やしたのではないか？
写真で見る限り、座席の形状が変更になっているが、寝やすい・寝にくいと言った所は実車に乗車しないとわからない。
今までのセレガ６５３・６５４（２０１１年式）だと、全体的に座席が固く寝方が悪いと寝違えて翌日肩が痛くなるデメリットもある（あくまで個人の感想）。ただ、悪い座席だとは言えないので、そこそこ快適には眠る事も出来る。

↑９３７については日野セレガの４列座席（昼行用）であった。３月１６日の展示会には登場していなかった車両で、車両のメーカーが異なる以外に、設備上上記と大きく変わって来る事はないと思う。

★一般路線バスも三菱製が増加

↑三菱エアロスター８４４は鳥坂営業所所属の一般路線車で、２０１６年式。一般路線車についても三菱車を積極的に投入する傾向で、これもAMTと称するトランスミッションにになっている。
いすゞ・日野についても少ないながらも投入が続いており、特定のメーカーだけのバスだけを購入しているわけではない。これは高速車、一般路線車とも共通して言える。

ジャストラインの平均車齢は高めで２０年超過は当たり前であるが、静岡駅周辺を通るバスに限れば、一部を除きほぼ見られなくなった。すなわち、一部を除きノンステップかワンステップバスになったわけだ。
老朽置き換えで新車を投入しており、静岡市内の営業所で比較的若い車齢１０年程度の車両を岡部、相良、浜岡の各営業所に移籍させてこれらに大量に残る２０年超過の古い車両を置き換える事もやっている。
ただ、最近は岡部、相良、浜岡の各営業所に対しても一般路線車を新車投入しており（台数は少ないが）、完全な”墓場”と化してはいない。それでも現状であってもこれら３営業所の主力車両は、「２０年選手」とも言える旧型のツーステップ車で、全国的に見ても台数が減少しているいすゞ・キュービック（例えば、岡部の２９５９・２９６０、３０００等）も現役なので、今後はこれら３営業所の古い車両をどのように置き換えて行くか？注目だ。

塗装は静鉄バス懐かしのものとなっており、時代ごとに３種類用意されている。９３２は三菱エアロスターであるが、これは１９８０年代に活躍したいわゆる「銀バス」で私も個人的に懐かしい。さらに三菱ふそうのエンブレムも当時のモノがそのまま復活するほどの、”気合”の入れようだ。
床は木目調（もくめちょう）になっており、高級感を演出。座席は１人ずつのスペースが明確にわかるようになっているようだ。
懐かしい塗装のバスは主に静岡市内各線で運行されており、比較的広いエリアで見かける事が出来る。

★最後に

２０１９年は静鉄グループにとっては節目の年になる。バスについては、２０１８年に投入したような新車がさらに増える事が期待できる。正確に言うと２０１７年度予算で購入しているため、２０１８年度予算でも新車投入を行うはずだ。例年は３月に集中するが、私の記憶が間違えなければ、２０１７年度は９月頃にも少ないながら新車が登場しているため、年度途中で�
�車が登場する事は十分あり得る。

さらに、この３月にはジャストラインのホームページが全面リニューアル。「静鉄バス」と言う名称に変更し、ある意味では「静鉄バス」をブランド化しようとも見える。乗換案内については、インターネットが登場したころから慣れ親しんだ「なんじ君」が廃止になり、「ナビタイム」と連携した新しいシステムに変わった。正確なバスの位置情報がわかるようになっているため、変な乗り換えアプリよりもわかりやすく、正確な情報になっている事も注目だ。

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