しょんぼり 暑い暑いと文句言えるシアワセよ。
アイリスNEO9月刊の発売日まで、あと少し!
ということで、本日も試し読みをお届けしますо(ж>▽<)y ☆
第2弾は……
『マリエル・クララックの結婚』
著:桃 春花 絵:まろ
★STORY★
コミックゼロサムにて長編コミック連載決定の人気シリーズ最新作!
いよいよ二日後に挙式を控えた、地味な中流令嬢マリエルと近衛騎士団副団長シメオン。「腹黒参謀の純情、ギャップに萌えます悶えます! 未来の旦那様が大好物すぎてたまらない!」 周囲にも祝福され、このまま幸せにゴールイン――と思っていたら、シメオンとの外出中窃盗事件に巻き込まれ、マリエルは犯人たちに連れ去られてしまい!? 婚約者とその周りに萌える娘の物語第四弾、恋愛ファンタジー大賞受賞の人気作オール書き下ろしで登場!
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シメオン様の執務室がある方を見ると、ちょうど奥へ向かう後ろ姿が目に飛び込んできた。数人で連れ立って歩く中に、ひときわ凛とした背中がある。淡い金髪は軍人らしく短く整えられていて、規則的な歩調は力強くもなめらかだ。距離があっても見間違えるはずがない。あれこそがシメオン様だ。
見つけた瞬間喜びがわき上がり、声をかけようと思ったのだけれど、シメオン様はぐいぐいと足早に進んでいく。周りの騎士たちも負けずに早足だ。どんどん遠ざかるのでわたしはあわてて彼らを追いかけた。
呼び止める暇もなく、彼らは突き当たりの部屋へ入ってしまう。あそこはたしか会議室だ。わたしは扉の前まで歩いて、そこで困って立ち尽くした。
多分、中は会議中なのよね。そんなところへお邪魔するわけにはいかないわよね……どうしよう。シメオン様の執務室で待たせていただく? でも戻ってくるとはかぎらない。
わたしはそうっと扉に張り付いて耳をそばだてた。中の声が少しだけ聞こえる。でもなにを話しているかまでは聞き取れない。扉越しに聞こえる声の調子は低く、笑い声も聞こえないから、やっぱり真面目な会議だろう。
シメオン様ってば、わたしと約束した時間になっているのに会議に入ってしまわれるなんて。でも彼のことだから、忘れているはずはない。なにか緊急の問題でも起きたのかしら。
だとしたら、なおさら割り込めない。もしかすると、今日は一緒に行けないと受付に伝言されているのだろうか。その可能性に気付いて、わたしは肩を落とした。
シメオン様は団長様の補佐であり、現場の指揮を取るお役目だ。問題が起きれば休暇中だろうがなんだろうが飛び出していくから、急に予定が変わることは珍しくない。そういうお仕事だと理解はしているけれど、今日の予定だけは中止にしてほしくなかった。これを楽しみに今日まで頑張ってきたのに、わたし一人で行くしかないのかしら……。
わたしはしょんぼりと扉から身を離した。とにかく一旦下へ戻って、きちんと取り次ぎを頼んでみよう。まだ中止と決まったわけではないのだし。
室内の人たちに気付かれないよう、気配を抑えてひそかに踵を返す。そのまま立ち去ろうとしたのに、歩き出す直前なんの前ぶれもなしに扉が勢いよく開かれた。
こちらへ来る足音など聞こえていなかったので、わたしはびっくりしてその場に立ちすくんでしまった。内開きでよかった。外開きだったら激突していたところだわ。
けれど、そのくらいで驚くのは早かった。ふと気付けば目の前に鋭く光るものがある。サーベルの刃がわたしの鼻先に突きつけられていた。
え――
「マリエル!?」
息を呑むわたしの頭上から、やはり驚いた声が降ってくる。扉を開くと同時にサーベルを向けてきたのは、シメオン様だった。
「なにをしているのですか!?」
わたしに気付くやシメオン様は素早くサーベルを引いた。白い秀麗なお顔には、驚きと焦りが浮かんでいる。少しだけ怒ってもいるようだった。
「シメオン様……今こそ『悪い子』と言ってくださいませ!」
「自覚しているなら盗み聞きなどするのではありません!」
現実のシメオン様は酷薄な笑みで罵ってはくださらなかった。普通に真面目に叱りつけてくる。ここで鬼畜な台詞が聞けたら拳を突き上げて喜べたのにぃ。でもさっきのシメオン様はとてもかっこよかった。動けば斬ると言わんばかりの迫力が、ちょっと怖いけれど萌えました! 思いがけず鬼の副長を間近に拝めたわ、来てよかった!
室内の人たちが聞いているはずなので、わたしは内心の萌えを隠してしおらしく謝った。
「ごめんなさい。でもお話の内容は聞き取れなかったのでなにも盗んでおりません。にしてもなぜわたしに気付かれましたの? ここへ来るまで誰もわたしの存在を意識していませんでしたのに。受付の人もすれ違った人も、誰も気付かなかったのですよ。なのにどうしてシメオン様は扉越しにわかりましたの?」
「…………」
シメオン様はものすごい渋面になって額を押さえた。
「堂々と不法侵入してきたことを叱るべきか、目の前を通っても気付かなかった連中を叱るべきか……しかし普通気付くだろう。なぜ気付かない!?」
「なぜでしょうねえ」
わたしも首をかしげると、頭に衝撃が落ちてきた。シメオン様のそばまで来た人が拳骨を作っていた。
「暗殺者顔負けに気配を消しておきながらとぼけるな!」
雷も落ちてくる。わたしは痛む頭をさすった。
「……殿下、わたしの扱いがどんどんひどくなってません?」
「そなたに合わせているだけだ!」
精悍な美貌を怒らせているのは、黒い髪と瞳を持つわが国の王太子殿下だった。どうやら会議にはセヴラン殿下もご臨席されていたらしい。
開かれた扉から見える室内には、ポワソン団長をはじめ班長級の近衛騎士たちが揃っていた。シメオン様の副官、アランさんの姿もある。皆さん驚き半分呆れ半分、そしてちょっぴり楽しそうな顔もしてこちらを見ている。議長席に座る団長様と目が合ったので、わたしはおじぎした。
「お話中にお邪魔をして大変申し訳ございません。お取り込み中のようでしたので、出直そうとしていたところだったのですが」
「なに、かまいませんよ。今日はシメオンと約束をしておられたのでしたな。おお、もうこんな時間だ」
団長様は怒らずほがらかに答えてくださり、少しわざとらしく時計を見た。近衛騎士なだけに素敵なおじ様だけど、時々身なりがだらしない。今日も無精髭が生えていた。親
みやすい方とも言えるけれど、それに油断してはいけない。陽気な表情の中で目が笑っていなかった。
ただ、わたしに対してお腹立ちなわけではないようだ。
「こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。いやしかし、思いがけず警備能力低下の確認になった。これはマリエル嬢にご協力感謝とお礼を申し上げよう」
笑顔のままでじろりと騎士たちをねめつける。身をすくめる騎士たちに、サーベルを鞘に戻したシメオン様が追い討ちをかけた。
「ええ、私よりも扉の近くにいながら、誰も気付かなかったとは情けない。訓練と教育の内容を見直す必要がありそうです」
「ぅえっ!?」
「いやあれ以上厳しくやられたら死人が出ますから!」
冷たく光る眼鏡と氷の瞳にますます震え上がりながらも、騎士たちは必死に反論した。
「副長の人外能力を基準にしないでください!」
「目の前通っても気付かないマリエル嬢が相手ですよ!? 扉の向こうじゃわかるわけないでしょう!」
「そうですよ、まだ猫の方が存在感ありますって!」
「マリエル嬢の気配の消しっぷりは素人じゃありません! 本職と張り合える一流技ですから!」
「まあ、誉めすぎですわ。わたしは普通に歩いているだけです」
「誉めとらんわ! 普通にしていてなぜ気配が消える!?」
また殿下がつっこんでくる。二度目の拳骨をいただかないよう、わたしはシメオン様の後ろへ逃げ込んだ。
「そこまで存在感がないと異常だぞ。クララック家では特殊工作員でも育てているのか」
「ふむ、いっそ研修に協力してもらいましょうか」
「そうだな、子爵を呼び出すか……」
やめてやめて、殿下と団長様に呼び出されたらお父様倒れてしまうから。
シメオン様が深々と息を吐き、殿下と団長様に向かって頭を下げた。
「ともかく、会議中にお騒がせして申し訳ありませんでした」
わたしもならって頭を下げておく。殿下はお怒りを引っ込めてくださり、団長様の隣席へ戻られた。
「まあ、約束の時間をすぎているからな。気になって見にきたのだろう。もうよいから、お前たちはさっさと出ていって逢引きでもなんでもしてこい」
いささか投げやりにおっしゃる。なぐさめるように殿下の肩を叩いてから、団長様もおっしゃった。
「殿下のおっしゃるとおり、もう時間だな。リスナール!」
「はっ」
呼ばれてアランさんが立ち上がる。
「現時点をもって副団長代理に移れ。期間はシメオンが戻るまで。引き継ぎは済んでいるな?」
「は、問題ございません。副団長代理、承りました!」
軍人らしいきびきびしたやりとりが交わされる。あ、こういうのいいな。もっと見たい。今度取材をお願いできるかしら。
「いえ、お待ちを」
皆さんがすんなり送り出そうとしてくれているのに、シメオン様だけが納得いかないお顔で口を挟まれた。
「まだ会議中ですのに、ここで抜けるわけにはまいりません」
「お前がいなければ進められん会議ではない」
生真面目な言葉を団長様は一蹴する。
「予定ではとうに休暇に入っているはずだった。そのつもりで準備を進めてきたのだから、なにも問題はなかろう。退出を許可する」
「ですが……」
「ぐずぐずするな、挙式二日前になってもまだ仕事をしている方がおかしいのだぞ」
殿下も呆れた調子でおっしゃった。
「それではマリエルが心配して見にくるのもしかたがない。許すから行け。目の前でいちゃつかれるのもうっとうしいのだ。さっさと出ていけ」
呆れるというか、大分すさんでいらっしゃるようだ。ご自身の恋愛はなかなか上手くいかないものね……なんとかしてさしあげたいところだわ。
「いちゃついてなど……」
シメオン様は顔をしかめるが、周りの騎士たちはぬるいまなざしだ。気付いたシメオン様は気まずそうに咳払いでごまかして敬礼した。
「……では、申し訳ありませんが、お言葉に甘えて退出させていただきます」
「おう、また披露宴でな」
団長様は陽気に答え、殿下はそっぽを向いたままひらひらと手を振る。わたしもおじぎをして、シメオン様とともに会議室をあとにした。
「……あの、ごめんなさいシメオン様」
無言で歩くシメオン様の少し後ろを、わたしは追いかける。
「会議のお邪魔をしてしまって……ちょっとだけようすを見にきたのですが、お取り込み中なので本当に出直すつもりだったのですよ」
「いえ、扉を開けたのは私ですから。まあ、受付を無視して勝手に入り込んだのはいけませんが」
シメオン様は振り向かないけれど、お声はもう怒っていない。やわらかな調子に戻っている。歩調もさきほどとは違い、わたしに合わせてゆっくりだ。
~~~~~~~~(続きは本編へ)~~~~~~~~
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しょんぼりは三度の飯より美味い
昨日りりさんのところで見て以来
1日中どころか
今日もずっと
頭の中をぐるぐるしています。
ミスチルの「Sign」
大好きな曲です。
娘と私は色々と好みが正反対で
ミスチルはあまり聴かなかった娘だけど
いくつか好きなものもあって
Signはそのうちのひとつ。
りりさんのところで
娘を感じる曲に出会えたっていうのが
なんか嬉しかったです
ブログは
お空の子供たちから受け取る
サイン(車のナンバー)のお話でした。
そういえば私は
娘のお誕生日ナンバーに
出会った事ないなーと
しょんぼりしていたら
最後にこの動画がどーんと貼ってあって(笑)
それだけでも
私にとっては十分サインでした
君が見せる仕草
僕を強くさせるサイン
もう
何ひとつ見落とさない
そんなことを考えている
油断していたら見せてくれるらしいサイン。
もしかして私は油断しまくりで
見落としてるんじゃ…とさえ思えてきました
歌詞みたいに
見落とさずに全部キャッチできるように
なりたいなぁ。
しょんぼりがゆとりになる。
今日は天気がイマイチ…。
というわけで、
1店舗目は「よし川」さん。
明石焼き 8個 600円(税抜)
2店舗目は「たこ磯」さん。
玉子焼き 15個 700円(税込)
出汁で食べるのもよし!
ソースで食べるのもよし!
玉子焼き(穴子) 15個 900円(税込)
こちらは中身がタコではなく焼き穴子です。
どうしても車で行きやすい場所を考えると
神戸市街地はちょっと不便で…。
ほぺこが電車移動に不安がなくなったら
次こそは三ノ宮や元町にも行きたいなぁ。
ほぺこは神戸での日々が楽しすぎて
「さみしい…かえりたくない…」
としょんぼりしていました。笑
帰りも早朝出発したので
ほとんど渋滞に巻き込まれることなく
行きより早い6時間半で帰宅。
お盆ラッシュも時間帯が大事なんですね!
以上、神戸の旅レポートでした!
まだ日曜日まで旦那はお休みなので
もう少しほぺことどこかへ行けたらいいな。
とりあえず、今日はゆっくり休みます!!
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今年は解散しててしょんぼりです https://t.co/wcWt9Za5Lc