時代の変化を先取り、サボを集めたサイト♪
何年も前から
実家には半分あけた
スーツケースとかカバンで
遊びに行きます。
使わないシャンプー、試供品、
紙袋、古いタオル、食器
何でもかんでも
もらってきます。
この間の連休に
懐かしい本を
もらってきました。
もらってきたと言っても
元は私の本です。
他界した母が
私が小学生の頃くれました。
紙箱に入っていて重たくて
何やら立派な本だと思いました。
いろいろなところが
茶色に焼けています。
紙のケースはどこかに
いきました。
「モモ」を読んでいると
時間泥棒の灰色の男
私のことではなかろうか
と思い、焦ります。
あくせく「時短」とか
「損しないで得をする」とか
何もしない
隙間時間が欲しいのに
ひまができると
損をするようで予定を入れ
焦っていた自分のことが
描かれているようでした。
風呂に持ち込み
洗濯機の上に置いて読み
寝る前にも読みました。
モモが灰色の男に
お人形の洋服を
山ほどもらう場面があり
小学生の頃の私は
「いいな。
モモはおもちゃをたくさん
もらえばよいのに。
なぜ素直にもらわないんだ!」
と考えていました。
子どもの本の読み方は
ものすごく自由です。
古い本を読むと
ものすごく変わっていく
新しい自分の心に会います。
大人になってから
いつも欲しかったのは
「自分の時間」で
そのために
「時短」「便利」を求めました。
やればやるほど忙しく
お金もかかりました。
情報の渦の中に
いつも笑顔で誠実
子どもはよい子にお手伝い
思いやりに溢れて
家はいつでも整理整頓
物は定位置 元通り
教科書のように
生活する方がいて
「ザ・生活優等生」は
みんな口を揃えて
ズボラと謙遜しています。
「ザ・生活優等生」が
新しい・すごいとすすめる
便利・収納グッズを買い狂って
あふれさせても
ままならない私の生活
「人生敗北宣言」
収納グッズ・便利グッズ
丁寧に・上質・センスよく
家族が喜ぶ時短テクニック
私は子どもが発した
「だいじ」という言葉を
きっかけに大爆発して
すすめられること全部に
反抗するように
収納グッズや家具を捨てました。
今もそうです。
「正しい家族」構築のために
全力で説得しても
うまくいかない主人は愛人認定
子どもは泣けば
太刀打ちできない破壊力
「子ども」の肩書きを変えて
「家にいる正論の通じない
小さくてなんだか偉い人」
とめちゃめちゃに名付け
買い物労働をサボりまくり
やぶれかぶれでやめてきました。
捨ててやめていくうちに
私は図書館に遊びに行き
公園や街を散歩し
「時間」が戻ってきました。
近所の道を目的もなく
子どもを連れてただ歩くと
夕暮れはものすごく美しくて
自分が小さな頃にもらった
あたたかな気持ちとか
思い出したくない
かっこ悪すぎる思い出とか
たくさん浮かびました。
「モモ」をもう一度
今の私が読んでみると
一人暴れるように
いろいろなことをやめてきた
自分の生活が
肯定されているような
気持ちになりました。
「モモはおもしろかった」と
母に言いましたが
本当は意味がわからず
おもしろくありませんでした。
「家掘り」で
茶色に焼けた本をもう一度
もらって
今の私が読んだら
気持ちが晴れました。
テーブルとか玄関とか
私は読んだ場所に
本を置き去りにしていて
子どもが表紙のモモちゃんの
ボロく不思議な格好を見て
「髪がボサボサすぎてる」とか
小学生の頃の私と
同じような感想を言います。
1,836円
楽天
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大切な本と思うと
しまいこみそうになるので
破れても汚れてもよい
なくしてもよいから
近くに置いています。
「時間」を少しずつ
取りもどしたのは
自分の手に入れたものや
習慣をかなぐり捨て
真面目にかっこ悪く
自分と葛藤できたからです。
目新しいもの・テクニックに
駆り立てられるように買い
損をしたくないと
恐れていた私から
やっと「時間」を取り戻して
母からの贈り物を
もう一度手に入れました。
「統一感・整理整頓で美しく」
と求める気持ちは
呪縛がとかれるように色あせて
葛藤にまみれて
ほこりだらけで「家掘り」し
かっこ悪すぎる私が
雑巾片手にあばれる空間と
いらない収納家具を
無理やり引きずって
フローリングにつけたキズを
ものすごく愛しています。
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遊びに来てくださる皆様のおかげで
「本」ができました。
ありがとうございます!
1,296円 Amazon |
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